見えない翼
──────────・・・・・。


キーンコーンカーンコーン
けたたましく鳴り響くチャイム
これは授業の始まりを表すものだ。


それを聞いてもまったく焦る気配のない自分
あたりまえだ。
端っから授業にでるつもりなんてさらさらない。



じゃあ何で学校にきてるかって?

それは屋上に行くため
なぜかあの屋上にいると心が落ち着くんだ。
そして黒く淀んだ俺の心をひと時だけでも真っ白に変えてくれる俺だけの秘密の場所だ。




ついでに俺は今日も目的地(屋上)に行くため廊下を逆流していた。

いつもと変わらない筈だったんだ。
これまでもこれからも
いつもと変わらず屋上に行って
いつもと変わらず空を見上げて・・・・



この出会いがそんな俺の平凡な毎日を変えていくなんて
この時の俺は知るよしも無かったんだ。




タンタンタンタン



俺意外誰も居ないはずの廊下に規則的に鳴り響く足音。


センコーか?
俺はゆっくり伏せていた顔を上げた。
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