Rainy-Rainy
あぁ、また喧嘩だよ。

ホント、何でこうも二人はすぐに喧嘩になっちゃうのかな。

てゆか、今のは桂くんが明らかに悪いと思うけど。


でも私は本当は知ってる。

二人が決して本気になって、喧嘩をしてる訳じゃない事を。


「ふむ。これでは何の為に付き合わされたのか、分からないな」


桂くんもようやく食べ終わって、綺麗にナイロンを畳みながら、あからさまに溜息を漏らした。


「付き合ったって何が?」

「こいつ、今回の小テストの成績次第で補習が決まるらしい」


補習か。

でも、やるだけ無駄だと思うけどなぁ。

千鶴の勉強嫌いはどうしようもなく根が深いから。


「それで昨日の夜、泣き付いて来たから教えてやったんだが…」


この様だ、と桂くんは肩を落とす。


「なななっ!?別に泣き付いたりしてへんわっ!それにホンマやったら、静香に手取り足取り教えて貰おて思てたんや」


何も顔を真っ赤にしなくても…。

いや、それより手取り足取りって、何を教わるつもりだ。



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