Rainy-Rainy
Boy meets Girl



−Kyosuke−



ふと、目を覚ますと雨が降っていた。


布団から抜け出し、窓辺に腰を掛ける。

そこに置いたままだった煙草の箱から一本取り出す。

シトシトと降り続く雨はいつから降り始めたのだろうか?

そんな事を考えながら、マッチでくわえた煙草に火を点した。


「ふーっ」


旨い。

厚く張った灰色の雲を見上げ、俺は紫煙を吐き出した。


「……腹、減ったな」


最後に食ったのは昨日の昼のコンビニの味気ない弁当か。

時計を見れば、もう夜中の十一時。

丸一日以上経っている。


「何か……食うか」


部屋に備え付けてある小型の冷蔵庫を開ける。

ビール、水…その他調味料。

まともに腹を満たしてくれそうな食べ物が無かった。


「糞……仕方ねぇ」


雨の中出掛けるのは億劫だが、仕方ない。

コンビニにでも行くか。

着たままだったYシャツのボタンを泊め、ズボンを履いて玄関に立つ。

随分前に遊里が置いていった傘を手に、俺は外に出た。




†††††



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