Rainy-Rainy
「だからっ!煩いって言っただろ!!」

「ぐっ……ぅ…」


下腹に晶人さんの爪先が突き刺さって、私はうめいた。

うぅ……目の奥で火花が散った。


痛い。


「せっかく!いい気分だったんだっ!!なのに、何でお前が出て来るんだっ!!」

「やっ…やめっ、晶人さ…か、体を拭かな……きやっ!?」


髪を掴んで、無理矢理引き上げられて、何度も殴られる。

口の中が切れて、生臭い鉄の味が滲んだ。

お腹を殴られて、酷い吐き気にも襲われた。


「はぁ、はぁ……むかつく女だよ、お前は。いつもいつもいつもいつもいつもいつもいつも!何で僕に付き纏う!!」

「……っぁ」


殴られる。

蹴られる。

壁にぶつけられて、血が流れる。


でも、私は決して抵抗しない。

ただ、晶人さんが落ち着くのを待つだけだ。


「何で、お前みたいなのが生きてるんだ」

「ご……めん…なさい…晶人さん」

「僕の名前を呼ぶなっ!」

「いっ……ぁああ!」


思い切り、右手を踏み抜かれた。

何度も、何度も、何度も、何度も。


「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね」



< 34 / 107 >

この作品をシェア

pagetop