Rainy-Rainy
-Chiduru-
タバコの煙を深く吸い込んで、ゆっくりと吐き出す。
白く濁った空気が口から抜けていく。
恭兄はさっきから、何も言わへん。
驚いた顔して、固まっとる。
ウチは、さっきから嫌に冷静になってた。
ざわついたりせんし、泣きたくもならへん。
心が、怖いくらいに凪いでる。
「ウチと桂のとばっちり受けたんや」
ウチはとつとつと語りはじめた。
あの日の事を。
ウチらが犯して、罪の全てを。