Rainy-Rainy
「二人共、何してるの!?」


帰りが遅いウチらが気になって見に来たら、騒ぎに気付いたんやな。

静香は力も無いって言うのに、ウチと桂の間に無理矢理割り込んで来た。

やめてって叫んでたけど、意味なしや。


怒り心頭しとるウチらには、幾ら静香の言葉でも耳に入らへんかった。

必死の静香を無視して、殴り合った。

そらもう、ヤバかったわ。

皮膚はそこら中裂けるわ、血は出まくってるわで、真っ赤な彼岸花や。

手ェの調子悪いって思て、あとで病院行ったら、綺麗に折れてたしな。

そんな位に本気でやり合ってるっていうのに、静香は止めようって必死やった。

何回押し退けられても、ウチらを引き離そうって間へ入って来た。

それがアカンかったんや。

ウチらみたいな、どうしようもない阿呆は放っておいたら良かったんや。

せやのに、静香はウチらを止めようとして…


「邪魔や!」

「どけ!」


正直それが静香やてウチ気付いてなかった。

多分、あいつも。

ホンマ、お互いしか見えて無かったんやな。

せやから、邪魔してくるどっかの阿呆を退かそう思って、思いっ切り突き飛ばしてしもたんや。



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