。*Scar*。
ふと、持っていたカバンを肩にかけ直し、白い息をフゥと吐く。


あーあ…
白い息が寒さを余計引き立てるなぁ。





寒くてかじかんだ手にも息を吹きかける。





こんな夜に繁華街を制服で歩いてちゃ、補導…

されるわけないか…




こんな腐った街に正義なんてない。





「お嬢ちゃん1人かい??」



なんて思っていたら、早速援助交際のお誘い。



「今急いでるんで…」

「いいからいいから~!!オジサンと遊ぼうか!!」

ガシッと腕を掴まれ、路地裏の方へ連れ込まれる。

酔っているオヤジと言えど、所詮は男。
精一杯抵抗はしてみるが、逃れる事は出来なかった。


「ちょ…!!やめてっ下さいっ!!誰かっ!!」







誰も…


こっちを見なかった。




「さー、こっちにホテルあるからね。」


ヤダヤダヤダヤダヤダ…!!





誰か!!


誰か助けて!!




スカートについてるポケットにはカッターが付いている。



だ…だめ…


だけど…

誰も助けてくれない…



な…なら…



ポケットに手を忍ばせる。



カチッカチッとカッターナイフ特有の嫌な音を立てて刃を出した、そんな時だった。










「おい、そこのジジイっ。その汚い手離しな。」





高い、だけど落ち着いた女の子の声がした。




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