美女で野獣



「なぁなぁ、隼人!!」

「んぁ?」

蝉が、一番うるさく鳴く時期、じりじりとボク達の肌は赤みを帯びていく。

「お前さぁ…薔薇姫とどういう関係なんだっちゃ?」



「…。」


「ぇ?シカトっちゃ?」

「友…だ…ち?」
「友達?奴隷じゃないんだっちゃ?」



「紀奈は、ボクのコト奴隷だと思ってる。でも、ボクは、友達だと思ってる。」

「…ふぅん。」
「な…なんだよっ?!」

孝太郎が、ニヤニヤしながらボクの顔を見てくるから、背筋がゾッとした。


「関係に、名前が無いと不安になるよな―…。」

「ぁあ。どういう関係なんだろ?」

ボクは、友達って思ってる。
でも、紀奈は、奴隷だと思ってる。

なんだろ?
めっちゃ切ないなぁ…。



ボクだけ、友達だと思ってるなんて
切ないよ。



紀奈と一緒にいられるのは、ホント嬉しい。
でも…


ん?





頭、クラクラする。




目の前が真っ白になって…ん??




―バタッ


「はや…と?隼人ぉお―!!」




此処は?


ボク、どうしたんだ?


頭がクラクラして、吐き気がして…。


「…と。」

ん?


「はや…と!!」

誰??


「隼人っ!!」




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