美女で野獣
ガバッ


「こ…孝太郎?」
「隼人ぉお~!!!」

「此処は?」

「保健室です。」
保健の先生が、目の前に水を差し出した。

「どぉゾ。」
「ども。」

ゴクッ

喉に、水がしみこむ。

「ボクは、どうなったんですか?」
「熱中症ね。」
「ぁ…そーっすか。」

「もぉ、大丈夫なんだっちゃ?」



「ぅん。悪いな、心配かけて。」




「孝太郎君は、教室に戻っていいわよ。」
「はぃ。」

孝太郎は、急いで教室に戻っていった。

「ん…」
「大丈夫?」
「はぃ…。」

まだ、吐き気はおさまってくれない…。
どうしよう…ホントに気持悪いよ。



「隼人君。」


「は…ぃ?」



「最近、桜橋サンと仲良いのね。」
「はぃ。」

観察されてたのか…?



「好き?」

「へ?」


思わず、間抜けな声を出してしまった。
だって、紀奈のコトそういう目で見たことないし…。





「桜橋サンは、学校のマドンナだものね。」
「(みんなの前では!)そうですよね。」


「つりあうのかしら?」
「わかりません。ボクは、友達だと思っています。」


保健の先生ってこんな感じのヒトだっけかなぁ?
なんか、いつもと違う…。



「じゃぁさっ隼人君は、好きなヒトいる?」
「ぅあっ…。ぇっと…。」

じりじりと先生は近づいてくる



「いないのぉっ?!」
「たぶん。」


「じゃぁ、先生と恋愛しちゃぅ?」
先生は、クスッと笑い、上目遣いをしながらボクを見据えた。


「ぇと…。」



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