美女で野獣
バタンッ

ドアが思いっきり開かれた



「ォイ?」


この声は…


「紀奈…。」
そう言ったのは、ボクじゃなく、先生だった。

「アネキっ!!」


アネキィ?!

「まぁまぁ、ばれちゃったじゃなぃの!!」
「なにしてんだよっ…。」

紀奈は、先生を睨みながらため息をついた。

「わりぃ、隼人。」



「ぇあ…、うん。」


「やーねぇ♪なんにもしてないわよン。」

「ずっと、聞いてたよ。」
「ぁら、そぉ。」

紀奈は、めっちゃ怒ってるし。
先生はいたって冷静だし。



ぅう…、居づらいなあ。



「き…紀奈、先生の妹だったんだね。」
「ぁあ、不幸にもな。」


「ぇえ~ヒドイなぁ。隼人君、ヨシノでぃいよ。」
「ぃいえっ!!」

先生のウィンクは、とても美しかった。
元が、綺麗だからかな。




紀奈に似て―




紀奈は、ボクの横たわっているベットにドサッと座った。

「なんで、そんなくだらない質問をする?」


「くだらなくないわよ。」



「なんで、したんだ?」
「べつにぃ♪」


先生は子供みたいに無邪気に言う


「ふざけんなよ、隼人に迷惑だろ?」

「別に、迷惑じゃ…。」
口を挟まない方がいい気がしたけど、一応言っておいた。

「好きなのか?私のコト。」


紀奈は、目を丸くしてボクを見据えた。


「やっぱそうなの?隼人君。」

ぇえっ?!
なんでそうなるんだよ…。


「違うよっ!!こんなヤツ!!」

言った後で後悔した、なんで―…。


「ぅ…。」

―バンッ

その場の空気に耐え切れず、保健室から逃げ出した。
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