美女で野獣
はぁっ…

「クソッ―。」
校舎の壁に思いっきり拳を叩きつけた。

なんで、あんなコト―…。

だって
だって

わかんないんだ。

好きかどうか―。


ボクは、友達としか、思ってない…。
紀奈は、友達以下としか思ってない…。



紀奈だって、わかってるじゃんか、そういう目でみてないって。



ボクと紀奈の間に、恋愛感情なんていらない。
あったら、きっと上手くいかない。



ぃいんだ。
奴隷でも―…。


紀奈の側にいられるのならば。

紀奈だって、くだらないって言ったんだ。


紀奈にとっては、恋愛ってくだらないコトなんだ。



ボクなんかが、好きになっちゃいけないんだ!!
ボクなんか
ボクなんかがっ!!


不釣合いなんだよ。
マドンナと、地味なボク。



少し近づけたからって、調子に乗るな。ボク。

お前は、奴隷なんだ。
それ以上になろうとするな。




自惚れるな。



お前なんかが―


「ジィ…。」
「なんでしょうか?」

「隼人は…。」
「探してまいりましょうか?」
「ぃい。」

ぁあ、イライラする。
今日の紅茶は、なんだか苦いし…。

隼人…。
私、なんか悪いこと言ったか?


つか、
隼人にとって私は、"こんなヤツ"なんだな。



奴隷としてみてたのが悪かったかな…。
私は、友達だと思ってたけど…。


こんなヤツだもんな。



「ハハッ」
「紀奈様?」

「ァハハハ!!」
「紀奈様、どうなさいました?」
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