美女で野獣
キーンコーン
授業が終わった。
―ぱし
紀奈に、腕を掴まれた。
バシッ
「はなせっ!!!」
「ぁ…」
紀奈の顔は、真っ青になっている。
「か…彼氏んトコ行くんだろう?」
最低…ボク
「彼氏じゃな―」
「うっせーよ!!とっとと行けよ!!」
なんで…
思ってもないのに言葉がぽんぽん出てくる。
紀奈に、そんな顔させたくないのに…。
「ぁっ紀奈!向こう行こう☆」
紀奈は、何も言わず、恵に連れ去られた。
はっ!!
殺気………
『なんなのよ、アンタ!!紀奈様にあんな顔させやがって…!!』
バキッ
ボコッ
バキューン
「ぎぃやああぁーっ!!」
「紀奈、さっきの続きしよっか。」
なんで…隼人目を逸らすの?
「此処なら誰もいない。」
恵は、私に口付けをしようとする。
しつこい
バッ
「ふべっ…紀奈、なにするんだ?」
「恵、あなたは私と別れたのよ?恵には婚約者がいるじゃない。」
「別れた。つーか、俺、紀奈のほうが好きだもん。」
ねぇ、隼人
「やり直そう?」
ねぇ、隼人裏切るの?
「紀奈、好きだ。」
涙が止まらないの…苦しくて。
「泣かないでよ紀奈!!」
―バッ
「?!」
「わりーケド、姫はもらっていく。」