美女で野獣
「隼人!」
「紀奈…ごめ―」

「わたしに手間、かけさせるつもりなのかなぁー??」
ひぃいいい!!

なに?その微笑!こわいっすこわいっす!!

「次、しくじったらぁーただじゃおかねーぞ?」
紀奈の微笑みが怖い…。


「次!」

「キミがイナけレバ…」


《はーやーとー》
ひぃ!
紀奈を見なくても背中に視線が突き刺さっている…。


ぱしーんっ

『き…紀奈様?!』

「いた…」
紀奈は側にあった長縄でぺしぺしと叩いてくる

「愛のムチですわ。」
なにニコニコしてんだゴラッ!!

「S姫ぇえー↓↓」




「大丈夫、隼人ならできるから。」

ぁーもーわかんねー!!

ボクは、側にあったお茶をおもむろに喉に流し込む


「ぷはっ…」
喉の渇きが潤わされる

「隼人ー早く!がんばってよね!!」
監督が顎で催促してくる…ぁあヤダヤダ



その後も、ボクは悪戦苦闘―


みんなは呆れてボクの代役を探し始めてしまった。



どうしよう…



「すげーな、噂の薔薇姫か。」
ボロボロになったボクは家に強制送還され、兄貴に愚痴を聞いてもらっている。

「ぁあ…」
「兄貴ぃ…どうすればいいのかな??王子の気持ちがわかんねーんだよ。」

「やるのって人魚姫だっけ?」

「ぅん、でも少し物語が違うんだよ。」



「人魚姫が人間界に行くところまでは同じなんだけど。
人魚姫は王子様に見初められ、メイドとして一緒に暮らすんだ。

そのうちに2人は愛し合って結婚しようとするんだけど、魔女が現れて、人魚姫を元の姿に戻してしまうんだ。

王子は魔女に操られて魔女と結婚してしまう―

魔女は、人魚姫の美しさを羨ましがってたから、王子と結婚させないようにして、人魚姫を泡にしようとしたんだろうね。

人魚姫は、悲しんで閉じこもってしまうんだ。

そこに人魚姫の姉妹がきて、王子を殺してしまえば楽になれると言ったんだ。

人魚姫は王子が操られてることを知らないから、王子を殺して自分も死のうとするんだ。

あとは原作の人魚姫と同じだよ。」


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