美女で野獣
はぁ…

ボソっとため息をつく。

だって、ボクがあの薔薇姫と…??
地味で、冷静沈着、無愛想な、ボクが…。

何されるか分かったもんじゃない―




武器は持ってった方がいいのか?
さっきの口調からして、なんとなくだけど怪しい匂いがするし…。

恐…っ!!


ボクが恐れていたって、時はどんどん進んでいく。




そして、約束の時間―

ボクは、震える足をなんとか落ち着かせ、体育館裏へと足を運んだ。

これから何が起こるんだろう…?
生きて家に帰れんのかな…?




「おっせーなぁ、アイツ。」

薔薇姫の、トゲトゲしい声が聞こえてくる―
ひぇえ~!!!!!!


「ぁ…の」
おずおずしながらも、薔薇姫の前に行くことができた



「やっと来たか。私を何時間待たせるつもりでいるの?」

…何時間も待ってないでしょうが。

「すみません」
「男のくせにへこへこしてんじゃねーよ」


ひぇええ

「まぁ、いいや。お前には、頼みがある。」

「ハィ」
「ジイや、例の物を。」



薔薇姫の横にいた召使っぽいヒトが、なにやら風呂敷に包まれているものを差し出した。

ポスッ

見事なまでに、その物体はボクの手のひらに吸い込まれるように落ちた。



「早く、やりなさい。」
「は?」
「は?じゃねーだろーがっ!!」
「何をやればいいんでしょうか…??」



ボクの頭の中は、もう洗濯機の様にごちゃ混ぜにかき乱されていた。

「そんなことも言わなきゃイケねーのかよ。」


「は…ぃ。すみません。」




って、なんでボクが謝んなきゃイケねーんだよっ!!
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