美女で野獣
はぁ…

「じゃぁ、もう遅いから」
「ぅん…さんきゅな!」


「あったかいんだな、手にぎるのって」
「ぇ…あごめん、イキナリ。」

紀奈はボクの手を再び握り、にこっと微笑んだ
「隼人の体温が伝わってくる―あったかくて、おちつく。」


「じゃあ…ボクの左手は紀奈の右手専用にする///」

怒られるかな…こんなずうずうしいこと


ぴんっ
おでこにデコピンされた


「あたりまえでしょう?
私の特権!!」


紀奈はボクの大好きな屈託のない笑顔でこたえた


「ぅん、じゃあおやすみ」
「おやす…まって!!」

「ん?」



「王子様の、マント」

紀奈はボクの肩にそっとマントをかぶせた

「私が寝てる間にかけててくれたんでしょ?
風邪ひかないように…??」

「ぅん」
紀奈がじっとボクの瞳をみて話すから
目をそらせなくなる


月明かりに照らされて
ボクの顔が真っ赤なことが紀奈に見えてなければいいんダケド…


「ばかたり!おやすみ!!」


紀奈は手をふりながら、家の中に入っていった



「おやすみ」







はー…


「紀奈様?!どうなされたのですか
ため息などついて。」

「気になさらないで下さい」
「は…はぃい!///」

「ありがとうございますね」


すたすた


生徒会長ってのも大変だ

とすっ

屋上は、人がいないからおちつく…
このベンチも、みんな座らないもんな。



やっかいなの、きちゃったなー
「いじめ…ねぇ」

ぺら
分厚い資料をめくる

「めんどくさ」


コレだから教師はいやなんだよ。
生徒を管理することができないからといって見て見ぬフリをする

涼しい顔をして…
本当は何でも知ってるくせに



< 34 / 76 >

この作品をシェア

pagetop