美女で野獣
「そん中みて見ろ。」

言われるがままに、ボクは風呂敷をほどいていった。

―バサバサッ

大量に落ちてくる手紙の数々


「ラ…ラブレ…ター?」
「そぉだ。」

「コレをボクにどうしろと?」



「決まってんだろ?返事書け。」


呆れた…なんつー人だ!!
冷酷・残酷!!

「自分で書けばいいじゃないですかっ!!ソレのためだけにボクは呼び出されたのですか?!」

「ぁあ」


ぁあッ?!



「ていうか、ボクとか…お前誰だよ。いちいち敬語使わなくていいから、タメで話せ。タ・メ!!」


そういって薔薇姫は足を組みなおす

長くてすらっとした足




「はぁ…。」



しぶしぶとボクは地面に落ちたラブレターを拾い上げた。

「ぉまえ…名前なんだ?」
「へ?ぁあ、隼人…です。」
「そっか~隼人、ね。」



「あなたのコトは、なんて呼べばいいですか?」
さすがに本人目の前で薔薇姫はやばぃし…。

「紀奈でぃいよ。」


そんな!物凄く難題を!!
「き…き…な…。」

自分でも良く分からないけど、名前で呼ぶのに抵抗がある。




「さ…桜橋サンじゃダメですか?」
「ダメ。紀奈。」

紀奈は素っ気無く言い放ち、何処から取り出したのか分からないが紅茶をすすっていた。

「なんて書けばいいですか?」

「すみません。」


………。

「だけ?」
「だけ。」

「すみません。だけ?」
「だけ。」


なっ…?!



「なんでですか?ちょっと冷たすぎませんか?」


「だって、顔も見たことない人から手紙来てるんだぞ?他になんて書けばいいんだよ。どうせふるんだ。そんなに余計な気を使う必要はない。」



冷たい…
冷酷。残酷。極悪非道!!
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