美女で野獣
甘い香り―――
「紀奈様…?」
目の前には美女、あぁ…紗亜夜さんか
「中庭です。大丈夫ですか?あの…お怪我をさせてしまって…その…すみません」
紗亜夜は涙をぼろぼろ零して私に懸命に謝る
「へへーっ大丈夫だよン★」
本当は結構痛むんだけど…気にしない気にしない!
「お口…きれております」
紗亜夜が私の唇についた血を指で拭う
…!
わわーっ肌綺麗…真珠みたい。小顔だし綺麗なこげ茶の瞳
「あ…顔になんかついてますか?」
「いやっかわいいなとおもって!!」
「…」
やっぱり
「ごめんね、そのことでいじめられたんだよね。」
「………はぃ」
紗亜夜は震えながらもがんばって声を絞り出して話してくれた
「1年の頃頻繁に告白されてて、いつも断っていたんです。
そのうち、友達もいなくなりました。私の隣にいると比べらっれるからって言って…。
それから私はずっと1人ぼっちでした。
ある日、いつもの様に告白されたので断ったんです。
したら、しばらくしてあの人たちが来て…
〝ちょっとかわいいからって調子のってんじゃねーよ
人の彼氏に手ぇだしてんじゃねーよクソが"
私はまったく意味が分かりませんでした
もう頭がぐちゃぐちゃで――
その人、私に断られたショックで自殺しようとしたらしいんです。
そんなの…私どうしよもないのに…
泣いても泣いても涙は枯れてくれませんでした
毎日毎日死にたいと思いました。
ぁあ私はなんで生きているんだろう?
生きている意味なんか無いんじゃないかと思いました。」
「生きてる意味?」
私は紗亜夜をじっと見据えた
「そんなの私だって知らないわよ。
わからないからそれを見つけるために生きているんでしょう?みんなわかんないの不安なの!!」
隼人が好きだといってくれた満面の笑みで私は言った
「見つけよう?世界でたった1つの自分だけの光―…
ね?」
こつんっと自分の額と紗亜夜の額をぶつけた