美女で野獣
「な…なんじゃこりゃぁ?!」
思わずボクと孝太郎は顔を見合わせて叫んだ

だって…だって紀奈がカメラの前で超超可愛い顔をして笑っていたから


「この学校の新入生にくばられる学校についてのパンフレットに載せる学生服の写真を撮っているんですよ。
もちろんモデルは紀奈さまですよ♪」


興奮していた男子生徒がボク達に教えてくれた



「紀奈かわいいっちゃねー♪」
孝太郎はにこにこしながら紀奈を見つめる


か…
可愛すぎだろ?!


お化粧なんかして…校長のヤツ、学生服じゃなくて紀奈撮らせてるだろ…



「ラスト!」
カメラマンはパシャリとシャッターを押した



「おつかれさまでした!!」

紀奈はやりきった感満ち溢れた笑顔でぺこりとスタッフに頭をさげる



「あ」
「おはよっちゃ」
「隼人、孝太郎!」


紀奈はボク達に気づいたのかトコトコと駆け寄ってきた

「隼人…どうしたの?」

「はな…鼻血が…」



大量出血…紀奈が可愛すぎるから悪いんだゾ

「ねぇ、そこのキミ!」
スタッフの1人が孝太郎のもとに駆け寄る

「お…おれ?」
「そう!モデルやってよ」

「ぇあ…うぃ?!」



スタッフは孝太郎の意見も聞かずテキパキと作業をこなしていく




「き…」
ボクもびっくりした



化粧しただけでカワイさ120㌫UPだ…



『キャァアアアアーっ!!』
「うぅうそ!なんでこんなにカッコいいの?!」

孝太郎はカメラの前でくるくると鮮やかに十七変化する


『孝太郎最高!!』



2人して…ボクを置いていかないでよ



そんな顔して紀奈…無防備すぎるよ
なんだ…体の中がグチャグチャして
孝太郎をにくいと思ってしまう


そんな感情いらないのに…どんどんボクは醜くなっていく

消えてしまいたい―――


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