美女で野獣
「好きな人の好きな人を大好きだからいいんです
あ!でも諦めた訳じゃないですよ?!

孝太郎さんの事はメッチャ大好きです!だからがんばってアタックしますよ!!」


紗亜夜さんはボクの隣に来て屋上の手すりに寄りかかり、手を青空に伸ばした


「隼人さんお願いです孝太郎さんを憎まないであげてください
孝太郎さんにだって紀奈さんを好きになる権利はあるんです。もちろん、隼人さんにも

ただ―――



紀奈さんの隣にいるのは隼人さんがいいです」


紗亜夜さんはいたずらっぽくへらっと笑った

「ボクも、隣にいたいです」
無意識のうちに口からコトバがこぼれていた

「わわ!ボク今図々しいこと言いましたね!」


「いいんですよー★恋にルールはありません!!図々しくていいんです」



「ありがとう」
紗亜夜さんの笑顔を見てたらなんだか勇気がわいて来たな

一言一言が魔法の呪文みたいに不思議と心が落ち着く
同じことを考えているからかな


「悩みがあったらまたゆってくださいね!!」

「はいっ」

「隼人か?入って」
いつも通りに紀奈の家のインターホンを鳴らす

「ラブレターの処理でしょ?やりにきましたよ」
ボクは手馴れた手つきで便箋に返事を書く

「こうやって2人で会うの久しぶりだな」
「そうだね」

「隼人…どんどんかっこよくなってくな」
「紀奈こそ前より数多くなってるけど?」


ボクは皮肉っぽくため息をついてみる


「好きな人に好かれなきゃ意味ないもん!!」
紀奈はぺろっと舌をだす
「そっか…早く両思いになれるといいね」

これはきっと本心。


ばふっ
「いった!!」
「鈍感ッ!!」

紀奈はそういってボクに枕をなげつけた


よくわからないけど
ボクが悪いのか………


「隼人が前言ってた大事な人って誰?」
急に声のトーンが下がる
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