美女で野獣
「なんで?」


「なんでもッ!!」



言ってもいいのかな?



「ボクにとってすごく大事ですごく愛しくてでも全てボクの方が劣ってるんだ

テストの順位はいつもその人が1位で、たまにボクが1位になるとべしべし叩かれて―――

乱暴だけど可憐で美しくて



美女で野獣みたいな人だよ



紀奈」

心臓がバクバクうるさい
紀奈に聞こえてるんじゃないかな…

紀奈はなんか下向いて黙っちゃうし…

ビリッ

「隼人ッ!?」

「こんなの見たくもない!」
ボクは返事を書いた便箋をびりびりに破いた


「ボクの大事な人に好意を持つのはボクだけで十分だ!第一S姫のイジメに付き合えるのはボクくらいだ」


「まって」
紀奈は頭を抑えて上目遣いでボクを見据える

「すごく分かりづらいんだけど…それって」



「お慕いしております…紀奈」


「…ッ」


紀奈の顔が真っ赤に染まった
同じだけボクの顔も真っ赤になった


「紀奈の気持ち、知りたいです」

「私もです」
紀奈はそっと耳元で優しくささやいた



「ウッホーッ!!!!!」
「なんっつー声だしてんだ!!」


ばっちんッ

左頬に落雷
落雷のち台風――――

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