美女で野獣
ドサッ

「よしっ隼人、よくできたな。まぁ、当然だが。」

「そりゃどーも。」
指ががちがちに固まって動かない…。
筋肉痛になりそうだ。

「隼人~。」
「はぃ?」

ぽすっ



「コレは?」
「林檎。好きなんだ、私。やるよ。」

ボクの手のひらにあるのは、真っ赤な林檎。

「じゃぁな、隼人。」


紀奈は、軽くボクに手を振ったので、ボクも少し頭を下げて返した。




「林檎って…。」


とりあえず林檎にかぶりついてみる。

甘く、すっぱく、程よくボクの好きな味。
懐かしいな、林檎。最近食べてなかったな。

果汁がボクの手にしたり落ちる。

ジュルッ―


ボクの舌の上で林檎の欠片がコロコロ転がる。







「美味しい…」
< 6 / 76 >

この作品をシェア

pagetop