美女で野獣

奴隷

「なぁ?隼人。」
「なんでしょうか?紀奈。」


『ィャア゛ァ―!!』

叫び声とともに、ボクの頬にビンタが炸裂する。



「ァンタ、何様のつもりよっ!!」
―パシッ

「紀奈様を呼び捨てだなんて…100億万年早いのよっ!!」
―ビシッ

「席が近いからって調子乗らないでよねっ!!」
―バチンッ



『サイテー!!』
―バキューン←?


「ゥウ…。」

頬は、真っ赤に染まっている。
涙でかすむ、視界の中で…



紀奈は…めちゃくちゃ笑っている…。



やっべー私モテモテだなあ

紀奈は、笑いを必死にこらえて、ボクにそっと耳打ちした。



「いいんです。みなさん、ありがとうございますね。お気になさらず。」

紀奈は、にっこりと微笑む。



「ぁ、いいえ。紀奈様がそれでよろしいのならば…。」



ボクにビンタをした奴らは、恥ずかしそうにハニカミ、ボクを睨みながら去って行った。


―体育館裏


「紀奈っ!!わざわざ大声で言わせないで下さいよ…。ボク、めっちゃ嫌われちゃったじゃないっすか…。」

ボクは、紀奈を睨む。

「ぃいじゃん♪楽しいんだよねーっ♪隼人がイジメられてるとこ見るの。」


紀奈は、ものすごく生き生きとしていた。


―S姫っ!!


「ぁっ!私ン家行くか!!」

「は?」
「…行くよね?」
「…はぃ。」


クッソー!!
逆らえねぇ…!!


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