美女で野獣



「…っ!!」

紀奈の家は、まるでおとぎ話に出てきそうなほど美しかった。

「こっちだ。」

紀奈は、どんどん先に進んでいく。

「ハ…ィ!!」


「さっ♪仕事だ。」
「…??」


「とぼけた顔をするな。ホレ。」

ドサドサドサッ―

「これは…?」
「今日も、いっぱい来たんだ。返事、頼んだぞ。」



「…?!」
「私は、向こうの部屋に行っているから、戻ってくるまでには終わらせていろ。」

もぅ…

「自己中過ぎる…つぃてけない…。」

バンッ―
ドアがおもいっきり開く

「なんか言ったか?」
「ぃいいいえっ!!ぃい天気だな~と思って♪」

よし、誤魔化し成功だっ



「…雨降ってるけど?」
「…ぁ、雨好きなんですよぉ~。」



「そぅか、早く終わらせろよ。」
「はぃい。」

パタン




「ふぅ~。」
冷や汗だらだらだ。



「す…みま…せん。っと。」
昨日と比べたら量は結構少ないな。

でも、筋肉痛で手ががちがち…。



もつかな?
ボクの手

ドサッ―

「終わった…。」
ボクはそのまま床に倒れこむ。

「ふぁあ…」
睡魔が襲ってくる。


眠たいなぁ…



ヒヤッ




頬に冷たいモノがあたる。

「ん…。」
「隼人。」


ガバッ
「き…紀奈!?」

「冷たいだろぉ~冷やし林檎だっ☆」



そう言った紀奈の右手には真っ赤に染まった林檎。
< 8 / 76 >

この作品をシェア

pagetop