美女で野獣
「…っ!!」
紀奈の家は、まるでおとぎ話に出てきそうなほど美しかった。
「こっちだ。」
紀奈は、どんどん先に進んでいく。
「ハ…ィ!!」
「さっ♪仕事だ。」
「…??」
「とぼけた顔をするな。ホレ。」
ドサドサドサッ―
「これは…?」
「今日も、いっぱい来たんだ。返事、頼んだぞ。」
「…?!」
「私は、向こうの部屋に行っているから、戻ってくるまでには終わらせていろ。」
もぅ…
「自己中過ぎる…つぃてけない…。」
バンッ―
ドアがおもいっきり開く
「なんか言ったか?」
「ぃいいいえっ!!ぃい天気だな~と思って♪」
よし、誤魔化し成功だっ
「…雨降ってるけど?」
「…ぁ、雨好きなんですよぉ~。」
「そぅか、早く終わらせろよ。」
「はぃい。」
パタン
「ふぅ~。」
冷や汗だらだらだ。
「す…みま…せん。っと。」
昨日と比べたら量は結構少ないな。
でも、筋肉痛で手ががちがち…。
もつかな?
ボクの手
ドサッ―
「終わった…。」
ボクはそのまま床に倒れこむ。
「ふぁあ…」
睡魔が襲ってくる。
眠たいなぁ…
ヒヤッ
頬に冷たいモノがあたる。
「ん…。」
「隼人。」
ガバッ
「き…紀奈!?」
「冷たいだろぉ~冷やし林檎だっ☆」
そう言った紀奈の右手には真っ赤に染まった林檎。