向日葵のうた
「…なんかごめんな?向日葵」



帰り道で拓海があたしに言った。




「なんで謝るの?」




2人で自転車を押して帰った。





「いや…なんかさ…」





「拓海は悪くないでしょ?それに元気がない拓海は拓海らしくないよ?」





拓海とあたしじゃかなりの身長差がある。




だからついつい見上げることになる。





「あははは、そうだな?あと…」





「向日葵」





あれ…?





この声…。





「お兄ちゃーん!」





玄関で待っていたのはお兄ちゃんだった。






「今日は早いんだね、どうしたの?」






「拓海お帰り、そして向日葵を送ってもらってありがとう」






お兄ちゃんは拓海にそう言った。
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