先生と私のたった一度の恋

2

途中で、暁くんにも会った。
暁くんを見ると奈々先輩が頭に浮かんで、なんだかおかしかった。


雅にも会って、皆で学校に向かった。



学校の校門に行くと、先生がいた。
沢山の生徒に囲まれていた。


だって、先生…かっこいいから…


私は服の上から懐中時計を握りしめた。
そのようすを誠ちゃんが見ていた。


「…儚?」


誠ちゃんが声をかけてくれたけど、正直に上手く笑えたか分からない。



「ん?なに?」



ただ、頭の中には先生と昨日の言葉と、
今の状況を我慢するしか考えられない。


「先生〜おはよ〜」


雅が、先生に手を振った。

(やめて…)


先生はこっちを見て…
正確には、雅に


「おう!おはようさん」


笑顔で挨拶していた。
それを見て、更に私の心はズキッとした。


無意識に心臓部分を握りしめた。


苦しい…


苦しい…


まるで、発作が起きたみたい…


やだよ…先生…

私を見て…ねぇ、先生…



そんな私の異変に気がついた誠ちゃんが、あわてて私の肩を掴んだ。


「儚!
大丈夫か?…発作かな」


心配そうに私を見る誠ちゃん。
それにつられて暁くんも近くに来た。
雅も…


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