先生と私のたった一度の恋
先生に出会う

1

「ほら、席つけ〜」



入って来たのは、私達の先生。
眼鏡をかけていて、きっちりとスーツを着こなしてるけど、
ネクタイはしてない。



「よっ!
俺が、これから一年間お前等の担任になる、」


ちょっと汚い…

でも男らしい字で黒板に先生の名前が書かれていく。

「難波 仁也(ナンバ キミヤ)だ。
よろしくな」



難波先生は、ニッと笑って出席簿を手に取って開く。
私は、教壇に立つ難波先生をじっと見つめた。


「…中村 儚!」


「う、にゃ、はいっ!」


ぼんやりしていた私は、難波先生に呼ばれて、変な奇声をあげて返事をした。


「クックッ…にゃ、って…」



先生は、クックッと喉で笑っていた。
皆もつられて笑い出す。


私は赤くなって俯いた。



「可愛くて良いじゃないか。」



難波先生は、そう言って続きを呼び始めた。

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