イジワルな唇_secretkiss_
「痛い…」
クシャッと触られるオデコ。
『ほら、行くぞ』
そう言ってまたあたしの家まで向かった――…
「ナセくんっ!」
『あ?何か不満でもあんのかよ』
「違くてっ‥ありがとうっ!その、送ってくれて…」
カアア…
ヤバい…思った以上に恥ずかしい……
ふと、ナセくんの顔を見上げる。
『ッ…じゃーな。あ…』
グイッと引き寄せられて顔を持ち上げられる。
え‥‥‥‥?
フニッと柔らかい感触が唇に強く触れる。
なっ……………
『ごちそーさま。じゃあまたな』
スタスタと歩く後ろ姿。
びっくりしすぎて声が出ない。
ただ聞こえるのは…
チーンとどこかで鳴り響いた音だった。