イジワルな唇_secretkiss_
「なっなんで笑って・・・」
『何でって!お前面白すぎ、俺の唇に頭突進させるとか女なら普通きゃーとか言って叫ぶのにうぎゃとか色気なさすぎだろっ…!ははっ』
色気なさすぎって!
ナセくんなんて・・・・
ムッとしていると上から声がした、ボソッと小声で。
『まぁそこがお前のいいとこだけど・・・』
えっ?
ビックリしてパッと顔を上げる。
今のって…、気のせい・・・・・?
『・・んだよ』
「い、いえ。別になんでも…」
シーン……
「あのー・・・いつになったら帰るんですか・・?」
ナセくんが口を閉ざしているとはっとしたように『やべ…』と呟いて背中を向けた。
『あ、じゃあまたな』
「へっ?あ、はい」
コツコツ・・・と足音が遠ざかってゆく。
「あ、あの…っ!」
足音は止まり、彼が後ろを振り返る。
「送ってくれてありがとう!」
下唇を噛んでナセくんを見つめる。