イジワルな唇_secretkiss_


『・・・・・・それは、夢のような物語。…読みましたけど?』



「でっ。では宜しい。座りなさい」


焦るように口を開き眼鏡をいじる先生。


ガタンッ


乱暴に席に座ると後ろから溜息が聞こえた。


・・・・疲れたのかな。

でも、長瀬くんの声・・・どっかで聞いたことあるような気がするのは気のせい・・・・?


まさか、ね…。







「心愛、じゃ、あたし部活行くね」


「あ、うん。がんばってね!」


美穂にそう言って笑みを浮かべると美穂も微笑み返してきた。


「うん、心愛もね!じゃ、また明日」


「うん!またね」


教室から姿が消え、一人かばんに教科書を詰める。



それにしても・・・・。



あたしも部活行かないと!

もう誰も教室にいないし・・・。



「よし!」



部活用のエナメルバックをかつぎドアの角を曲がった時・・・・・




「うわぁっ」








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