イジワルな唇_secretkiss_
『フッ・・・おもろいなぁ、心愛ちゃん。俺の名前は貴志だよ、まぁ貴志先輩やな』
「すいません、先輩。」
頭を下げて上げるとスッと防具を取った。
汗で髪の毛が湿ってる。
タオルでまた拭うと口を開いた。
「先輩は、これから練習ですか?こんな遅くから・・・」
そう言って貴志先輩を見つめる。
『あー、生徒会長引いてもうたから今から一人練習。心愛ちゃんはもう帰るん?』
優しく微笑みながらそう言うと『やっぱ、そうやよなぁ』とポツリと呟いた。
う・・・そんなこと言われたって…。
帰りづらいじゃん!
「じゃ、がんばってください!お疲れさまでしたっ」
バッと頭を下げて先輩にそういうと出来るだけ早足でドアへと向かった。
『あ!待って、心愛ちゃん』
ビクッ
「な、何ですか?」
ゆっくりと後ろへ振り返る。
『気をつけてえな、帰り道。じゃな』
え・・・・・。
「え、あ、は・・い。ありがと、ございました」