イジワルな唇_secretkiss_
ハタハタ…。
「暑い・・・」
手で顔を煽りながら重い足取りでアスファルトを歩く。
紗江、大丈夫かなぁ。
好きな人って、昨日会った貴志先輩だよね・・・。
なんて思いながら横に視線を向けるとグラウンドだった。
「ナセくん・・・・」
はっとしてパチンと頬を叩く。
あの後・・・あの送ってくれた後からあってないな。
ま、まぁ一日だけだけど…。
もしかして、もう会えなかったり・・・。
「ダメダメ・・あんな奴、別にどうでもいいんだから」
あんな奴のことで時間潰してるわけ、いかないんだから______・・・・・・・。
「美穂!おはよ」
「おう、はよっ」
暑いね、なんて言いながら席に座る。
「だよねぇ・・・あ、そだ。こちら香陽<カヨ>これから一緒に遊ぶ友達ですぜ!」
えへへ、と笑いながらぴょこんと顔を出す。
「可愛い!香陽ちゃん・・よろしくね、香陽」
「よろしくです!えと、心愛・・・って呼びますね」
そう健気に笑うとチャイムが鳴った。
「あっ、香陽!」
「はい?」
「心愛って普通に呼んでいいから!ね・・?」
真っ直ぐと笑顔を浮かべながら香陽を見る。
きょとんとしてまた笑顔を浮かべる香陽。
「うん・・!ありがと、心愛」