イジワルな唇_secretkiss_


『えー、みんなも知ってると思うが今週の土曜日に一年~二年の新人戦がある。気を引き締めてしっかり部活にはげむように。目的は勝つことじゃなく自分がどれだけ頑張ったか、だ。以上。』



「・・ありがとうございました!解散」



”ありがとうございましたー!”



「心愛・・・!」



「紗江…どうしたの?」



「心愛、まだ練習するでしょ?・・一緒にいい?」


一瞬、紗江が何を言ったのかポカンとして口を開く。



「だぁかぁら!一緒に練習してい?」



「紗江…何かあったの?!あの紗江が練習なんてっ・・!」



紗江と話していると真由がひょこりと瞳を見開きながら紗江を見つめる。



「ひどっ、真由!私だってやんだからねぇ?もう」



ぷくりと頬を膨らませる紗江を見ていると後ろから「何黙ってるねん!」なんて言われながら桜に突っ込まれてしまった。



「桜ナイス!!」



きゃははっ。


甲高い笑い声が武道場に響く。


「だってー…うん、いいよ!紗江も一緒にしよう!てか、そんなこと聞かなくてもいいのにー・・急に言われてびっくりしたじゃん。」


笑みを浮かべながら言うと紗江も笑顔を浮かべて口を開いた。



「それもそうだよね」







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