イジワルな唇_secretkiss_
「どーうっ!!」
パァンッ
「もうちょっと力入れて、右手にあまり力入れすぎないように」
そう言ってから「はい、タオル。」と渡す。
「はぁー・・・心愛、きつい…でもたまにはいいかも」
苦笑しながらそう言ってスポーツドリンクを口にする紗江。
「へいへい、ごっつぁんです!ハハッ。」
「こちらこそ!親分!!」
二人の笑い声が響いてきえてゆく。
「………………貴志先輩。」
「心愛・・・・?」
「あたしはいいと思うよ。だって、好きに変わりはないんだから。あのね、紗江・・・あたし、恋なんて全然したことないし偉そうなこと言って最低だけど…あたしは、あたしだったら諦めないよ。頑張れ!紗江!!」
真っ直ぐに紗江を見つめる。
しばしの沈黙が続く中、紗江がゆっくりと口を開いた。
「……は、はっくしょん!!」
「へ・・・?」
ぽかんと口を開く。