イジワルな唇_secretkiss_
「ご、ごめっ・・へっくし!最近風邪気味でさ・・・ハハハッ」
紗江の笑いにつられて頬が歪む。
「ぷっ・・・ははっ」
何秒か笑い合っていると紗江が顔を向けてきた。
「うん、ありがとう・・心愛。…じゃ!再開するか!練習!」
「紗江…うん!よーし、試合近いしね」
紗江の後ろ姿がいつもに増してカッコよく見える。
何か、決心をしたかのように。
ねぇ、紗江。
人はそうやって強くなるんだよね、
がんばれ、紗江。
「何突っ立てんのー?始めるぞ!!」
「今いくってー!」
ガチャンッ
ゆっくりと音のした方へ視線を向ける。
そして後ろからゆっくりと口を開く声が聞こえた。
「佐東先輩…………」