イジワルな唇_secretkiss_

「きりーつ!」


やばっ、みんなもう並んでるし!


なんて思いながらグラウンドをかけてこっそりと列に入る。


「心愛、大丈夫?」


「うん、ちょっとね。」


苦笑いを浮かべながら香陽にそういうと顔を前に向けた。


「心愛さん。」


ビクッと肩を震わせて姿勢を正す。


「はっ、はい!」


もしかして・・・。


「遅れたんならちゃんと言いましょうね?」


やっぱり。私のバカ!なんて思いつつ口を開いた。


「すいません!」



_______________…………






「位置について・・・」


パァンッ_____……。 


「いっけー!ファイト!!」


「きゃははっ、あいつの走りうけるー!」


『雄太こけてっし!ははっ』



みんなの歓声が耳に響く。


それにしても・・・


「暑い…」


何なんだ、この暑さは。

まるで砂漠にいるみたいの暑さ。

日焼け止めだって塗ってないのにグラウンドで体育なんて聞いてないよ・・。




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