イジワルな唇_secretkiss_



トクンッ

トクンッ…


フェンスに手を掛けて姿を追う


「あっ…」


一瞬、彼と瞳が重なった

ドンドン近付いてくる彼。

ええぇっ…どうしよう!

あたふたしながら鞄で姿を隠してしゃがみ込む


ガシャンッ


『おい、そんなとこでなにしてんだよ』


ビクッ


ゆっくりと視線を上げる

サラッと髪を靡かせて汗が伝う彼の姿


ドクンッ


また鼓動が揺れ動く


「えっ…と」


戸惑って顔を俯かせる


『…お前ぇ、野球すきなん?』


わかんないけど…っ


コクコクと首を縦に振る


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