NOEL(ノエル)
「あはは。 確かにそうですね。
理事長にはとても感謝していますよ。」
ハイバラは、まだあどけなさの残るその口元に、自信に満ちた微笑を浮かべると、
「インターンの身であるこの僕に、最高の設備と、実に良く出来たプロトタイプを提供していただいた事、大変光栄に思っています。」
ゼオに向かって深々と頭を下げた。
「才能にはいくらでも資金を提供する。
それだけの事だ。
スキルや年齢は関係無い。
それに・・・」
ゼオはそう言って再び椅子を回し、モニターを確認する。
「感謝するのは私の方だ。
こんなに早く、その日が訪れるとは思ってもみなかった。」
ハイバラは、壁面に組み込まれた小さなデジタル表示板の数字を確かめる。
「数字は嘘をつきません。
このまま順調に行けば、予定通り、あと69日後にはNANOは崩壊します。
ただ・・・」