NOEL(ノエル)

――― ピピッ ピピッ ピピッ

「ちょっと失礼します。」

ハイバラは、操作パネルに埋め込まれた受話器を手に取ると、パネルの右端にある小さな緑のボタンを押す。

モニターには瞬時に送信元のアドレスとプロフィールが映し出された。

「ウサギ退治の報告・・・かな?」

ハイバラは受話器に向かって問いかける。

受話器の向こうからは途切れ途切れに男性の甲高い笑い声のようなモノが聞こえ、それと同時にモニターには幾つかの顔写真が映し出された。

「相変わらずハイテンションだな、RJ。
あんまり飛ばし過ぎて、肝心な時に沈まないようにしてくれよ。」

ハイバラはそう言うと、受話器を置きモニターのデータをセーブした。

「ウサギ退治とは?」

「NANOとVINOの間で小賢しいウサギが数匹うろついていましてね、余計な情報の取引をしているんですよ。

で、僕の信頼出来る友人に依頼して始末してもらっています。」


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