NOEL(ノエル)
「いや・・・だからそれは・・・」
「ジェニファーのネットに繋がっていたからか?」
アルベルトの言葉に、ミルクの肩がピクリと震えた。
「誰?何?何ですって?!」
「あ・・・アル、あのさ・・・」
ビルはそう言うとアルベルトの肩をグイと掴み、低く耳打ちをする。
「頼むから話をややこしくしないでくれ。」
ビルは足早にミルクに近づくと、
「ミルクちゃん、ちょっと変わってもらっていいかな。」
そう言ってモニターを覗き込む。
そしてキーボードをカタカタと叩きモニターを確認すると、
「ごめん。1時間で済むから。
その間悪いけど、アルと外に行っててくれる?」
そう言って、ミルクをアルベルトのもとへと促した。
「本当なの?
本当に私が今日、朝からかかっても修復出来なかったデータが一時間で元通りになるわけ?」
ミルクは訝しげに眉を寄せる。
「僕を信じて。」
ビルは珍しく真剣な表情でミルクを見つめると、ニヤリと笑って親指を立てた。