NOEL(ノエル)

「そろそろ修復出来てるんじゃないかな?PC。」

「アル・・・?
全くあなたってどうしてそうやっていつも肝心なところで話を逸らすのかしらね。」

ミルクは口を尖らせてアルベルトの前に立つと、人差し指をその胸元に突きつける。

「あ、いや、僕は不確実な事は口に出さない主義だから。」

アルベルトは優しく微笑むと、ミルクの腕をそっと戻した。

「あなたって・・・」

ミルクは少し頬を桃色にして視線を逸らすと、

「もういいわ。
戻りましょう。」

ヒラリと膝上の赤いチェックのひだスカートを翻し、空中ガーデンから降りる螺旋状の階段へと向かった。

(ミルクはただの優等生のお嬢様じゃなかった・・・ってわけか。)

ミルクの姿が階下へと消える。
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