NOEL(ノエル)
一年もゲートが閉ざされれば僕達がNANOへ渡る術は無い。
謎は謎のまま、闇に葬り去られる事になる。」
アルベルトは液晶画面に次々とビルの父親の会社とリンクした様々なNANOのデータを呼び出していく。
「分かった。
もういいよ。」
ビルはアルベルトの手を止め、液晶画面の端に触れた。
画面は暗転し、中央にOUTの文字が緑色に光る。
「もういいって・・・何だよ?
気分を害したって事か?ビル」
ビルは口角をニヤリと小さく上げると、コキコキと頭を横に振り、画面に触れた人差し指を上に向かって差し上げる。
「アナザーサイドだ。」
「何?」
ミルクが怪訝そうな顔でビルを見る。
「いくら親父の会社のコネクションを使っても、もう表に出てるルートじゃNANOへは渡れないっしょ。
密航は密航らしく、裏のルートで行く。
道は一本じゃないって事。」