NOEL(ノエル)

*

次の日の夜、VINO CITY 郊外にあるG-53地区のゲートには、濃い青色の作業服に身を包んだ3人の人影があった。


VINO CITY の中でもナンバーで分類されるこの地区には、NANO CITYから供給されたエネルギー物質を貯蔵する大規模な施設がある。

そしてその場所は危険地帯としてCITYからは完全に隔離され、一般人の出入りは厳しく規制されていた。

施設の周りは銀色に輝く高い塀に囲まれ、その中央にある唯一のゲートには強固なセキュリティ機能が施されている。

本来ならば、そのゲートには立ち入る事は勿論、近づく事さえ出来ない。


青い作業服の中の一人が呟く。

「なぁ、どう考えても無理がないか?
こんな時期に、こんな時間に作業員に欠員が出るワケがないだろう?」

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