NOEL(ノエル)
ニコルが驚いて両腕を上げると、少年はニコルの薄い皮のジャケットの裾をギュッと掴みながら、その大きな翡翠色の瞳でフィンを睨みつけた。
「ふふ。随分と嫌われているみたいだ。」
フィンは薄い唇に拳を当てて可笑しそうに笑いながら
「でもね、君にはちょっと来てもらわなくてはならないんだ。天使くん?」
そう付け加えた。
「どういう事だ?フィン」
横で見ていたガイが思わず口を挟む。
「実はね、NANOの公安局に気になる噂が流れているんですよ。」
「噂? こっちにそんなネタは転がってきてないぜ。
何だよそれ?」
フィンは切れ長の鋭い瞳をガイに向けると、
「VINO CITYの奴らがNANOの破壊工作を企てている・・・と」
声のトーンを落として囁いた。