NOEL(ノエル)

「こんな時期だから欠員が出るんだよ?

NANO政府の示した突然の『外部立ち入り規制強化政策』で、此処の内部も混乱してる。

もともと此処は指令室以外の人員は全てアンドロイドで構成されているから、何らかの特別な指示が政府から出された場合、それに臨機応変に対応する事が難しいんだ。

だからその隙を突いてネットワークに侵入し、不正な欠員要請を出した。

指示を受けて実行するのはアンドロイドだからね。
上からの命令には的確に対応してくれちゃうワケよ。
それが不正でもイレギュラーでも。」

ビルが小声で解説する中、銀色のゲートが左右にゆっくりと開き、中から流線型の黒いAir カーが表れた。

「ここからが本番だよ。
ちゃんと指示書は読んでくれたよね?ミルクちゃんも」

「勿論、熟読したわ。
此処での作業内容は完璧に把握しているつもりよ。

首の後ろにナンバーも貼ったし、言われた通りに認証コードの入ったコンタクトも装着した。

もう気分はアンドロイドだわ。
若干不本意ではあるけれどね。」
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