NOEL(ノエル)
『頑張ってね♪ 頼りにしてるヨ! ビ・ル』
(うがーっ!!
やるっきゃねー! もうやるっきゃねーだろーがっ!!)
その気配を察してか、ミルクが後ろをちらりと振り向く。
ビルは咄嗟に表情を戻して右手を掲げた。
ミルクは僅かに首を傾げながらも、シートの脇にあるボタンを押す。
すると、車の前方へと伸びる道の両端に、行く先を照らすオレンジ色のランプが瞬く間に点灯した。
(いよいよか・・・)
アルベルトは目を瞑り、大きく息を吐く。
三人を乗せたAirカーは、遠方に青白く光るエネルギー貯蔵施設に向かってゆっくりと走り出す。
それはまるで定められた運命に吸い込まれるように、果ての無い暗闇の中へとその姿を消した。