NOEL(ノエル)

「エレナ、ここへは緊急な時意外連絡をするなと言ってあるはずだ。

私は昨夜から、対NANO政策の対応に追われている。
その辺りの情報はそちらにも伝わっているはずだろう?」

「アルベルトが居なくなったわ。」

エレナはゼオの言葉が終わらないうちにそう告げる。

「どういう事だ?」

ゼオは片方の眉を傾けて問う。

「今朝、メルサから連絡があったの。

アルベルトの部屋のデスクに、あなたと私に宛てた手紙が置いてあったと・・・。」

「手紙・・・情報漏洩を回避するために・・・か。
用意周到だな。
それで?」

「暫く家を離れるけれど心配はいらない。
自分の目的を果たす事が出来たら必ず戻るからと書いてあったわ。

学校へは休学届を投函したから連絡する必要は無いとも書いてあった。

一体どういう事?
あの子は何を考えているのかしら・・・」

エレナはまるで信じられないといった風に首を左右に振る。
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