NOEL(ノエル)

「とか何とか言って、ほんとは儲け第一主義のくせに。」

ニコルはぷいと横を向いて唇を尖らせる。

「お・こ・ら・な・い」

ベラはニコルを抱きしめて言う。

「怒った顔は、カロルにそっくりよ。
ここではそんな顔しないの。」

「止めろよ!
カロル叔母さんの事はアタシにはもう関係無いから。」

ニコルはそう言うとベラを突き放し、客席へ降りる階段へと走って行く。

ベラはニコルの後姿を見送りながら、大きな溜め息を漏らした。

(ニコ・・・
あなた、成長して益々カロルに似てきたのよ?

いくら髪を染めても、男の子みたいに振舞っても、もうごまかせなくなってきてる。

あなたの存在を、もし・・・
もしあの男が知ったら・・・)


「ベ~ラ、
何して~るの?!」
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