NOEL(ノエル)

(でもとにかく今は・・・戻らなきゃ・・・)

這うようにしてAirワゴンまで辿り着いたユーロは、急いでもと居た場所まで取って返す。

そしてAirワゴンのエンジンもそのままに、地下へ通じる丸い蓋を勢い良く開け、中に向かって大声を出した。

「みんな、悪い。
今から仲間を助けに行かなきゃならなくなった。

もう少しだけ、そこで待っててもらえないかな・・・。」

「え・・・ユーロ、仲間って?!」

ビルが焦った声を出す。

「エドのところの・・・、あぁ、そこの彼の研修先の女の子だよ。」

「エドの所の女の子?ガイノイドの事?」

「いや違う。
今詳しく説明してるヒマは無いんだけど、え~と・・・男の子みたいな女の子なんだ。」

「え・・・あ、そう・・・なんだ。」

ビルが納得いかない様子で頷くと、

「あの、ユーロさん」

アルベルトが後ろから声を挟む。

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