NOEL(ノエル)
(いよいよだな。)
そう小さく呟くアルベルトは、自分の心がそれまで以上にドクドクと波打っている事に気づく。
(何でこれ程高揚しているんだ僕は・・・)
アルベルトはトントンと自分の胸を叩いてみる。
(のっけから失敗は出来ない、そういう緊張からか、
いや・・・違うな)
アルベルトは自分の感情を分析しようと試みるが、すぐに思い留まり目の前にある状況を見据える。
(しっかりしろ。
これからの事を考えなくては。
自分が今出来る事をやる。
それだけに意識を集中するんだ。)
アルベルトは溢れだそうとする感情を必死に抑えながら足を進めていく。
その先に待っているモノが何なのか、それが自分にとってどういう存在なのか、今は知る術も無いままに・・・。