NOEL(ノエル)

「真っ暗だな。」

「僕が先に行きます。」

アルベルトはそう言うと、四角い穴からスルリと体を滑らせた。

「何だか俄かに積極的だな。アルベルトくん」

呟きながらユーロもそれに続いて足を入れるが、

「通れないし・・・。」

お腹の辺りがつっかえて下へ降りる事が出来ない。

「ヤバイ。
このままじゃ、奴らに見つかっちゃうじゃないかっ。」

ユーロは「フンッ!」とお腹を引っ込めてロケット型体形を作る。

――ズドッ!

鈍い音とともに、ユーロの体が下へと落ちた。

「大丈夫ですか?ユーロさん」

前方からアルベルトの声が響く。

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